シリーズ22の3:「欧州一筆書きの旅D2~北国一人旅~」
<ノルウェー・スウェーデン・フィンランド編>NO16
DAY21:2025年8月28日(木)①
今日は、スウェーデンの首都ストックホルムにいます。
3泊目が終わりました。
今日は、ストックホルム観光の3日目です。
観光できる最後の日でもあります。
実は、スウェーデンに来る前から気になる世界遺産がありました。
今日は、そこに行ってみようと思います。
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~世界遺産「森の墓地」とは?~
そこは、
「森の墓地:Skogs kyrkogarden(スクーグス・シュルコゴーデン)」
という施設です。
墓地という名前がつくと、日本では、あまりいい響きではないですよね。
でも、ぼくは、随分前からこの「森の墓地」が、妙に気になっていました。
「なぜ森の中の墓地が世界遺産に登録されたのだろうか?」
全く、想像がつかなかったからです。
世界には、天皇や皇帝、王など位の高い人たちの埋葬場所や埋葬施設が世界遺産に登録されてる例は、数限りなくあります。
例えば、
◇中国:秦始皇帝陵(しんしこうていりょう)・兵馬俑坑(へいばようこう)・明(みん)の十三陵
◇エジプト:ピラミッド・王家の谷
◇日本:百舌鳥(もず)古市(ふるいち)古墳群(仁徳天皇陵)
◇ウズベキスタン:サマルカンド・シャーヒズィンダ廟(びょう)群
◇インド:タージマハル
などなど、思い出せるだけでもたくさんあげることができます。
しかし、スウェーデンの「森の墓地」は全く、性質が違うようです。
位の高い人ではなく、一般の人々の埋葬場所に、スポットが当てられているようです。
位の高い人々は、財にまかせて、度肝(どぎも)を抜く墓地や建築物を作ることは可能です。
でも、一般市民は、そんなことは不可能ですよね。
だから、一般の人々の「死」とか「埋葬」とか「墓地」にスポットを当てたこの世界遺産は、果たしてどんな施設なのか見てみたいと思ったのです。
もちろん、わざわざ、その施設だけを見にスウェーデンに行くほどの熱烈な興味があるわけではありません。
せっかく、ストックホルムにいるのだから、見てみようかなくらいの気持ちです。
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~Skogs kyrkogarden(スクーグス・シュルコゴーデン)って?~
その墓地の名前は、「森の墓地=Skogskyrkogarden」です。
ちなみに、スウェーデン語で、
・Skogs(スクーグス):森
・kyrko(シュルコ):教会
・garden(ゴーデン):庭
という意味です。
これだけだと「森の教会の庭」という意味で、お墓の意味がないので明らかに翻訳が間違っています。
でも、不思議なことに「kyrko」のあとに「garden」がつくと、「墓地」という意味になるのだそうです。
要するに
・kyrko+garden:墓地
ということです。
だから、「森の墓地」という翻訳は間違っていないようです。
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~「森の墓地駅」へ~
「森の墓地」は、ぼくの泊っているホテルより南東部にあります。
南東部ということは、市の中心部からどんどん離れていくというイメージです。

地図の「Slattakragrand」と書いてある位置が今日のスタートの位置です。
要するに、ホテルの位置です。
途中、2か所で乗り換えるとトラムの「Skogskyrkogarden駅」に着くようです。
そこから、「森の墓地」の森の中を通るバスがあるようです。
ぼくは、墓地の広さを体感するため、そのバスには乗らず、自分の足で歩く予定です。

とりあえずは、いつも乗り換えている「Arstaberg駅」までバスで行き、30番のトラムに乗ります。

「Arstaberg駅」です。
いつもとは逆方向のトラムに乗ります。

「Gullmarsplan駅」で18号のトラムに乗り換えます。

18番のトラムは、逆方面に行くと、「ガムラスタン」や「T-Centralen」に行くことが分かります。
この図を見ても、「森の墓地」は、都市部から離れた地域にあることが分かります。

「Skogskyrkogarden駅」に着きました。
アプリでは、ここから、バスに乗るように指示してきましたが、ぼくは、あえて、徒歩を選びました。

「Skogskyrkogarden」の駅裏は、一面の針葉樹林群です。

お化粧を直している女性を撮りたかったのではありません。
太々とした木材で作られた椅子とテーブルを撮りたかったのです。
「森の墓地」の駅にふさわしい「森の恵み」で作った椅子とテーブルです。
お化粧の女性が去った後、ぼくは、この椅子に腰かけてみました。
木のぬくもりが感じられました。
木に包まれている優しいぬくもりです。
当たり前の感想ですいません。

バスに乗らないと決めているので、トラム駅からはひたすら、「森の墓地」の入口を目指して、歩くのみです。

5分くらいで入口らしき分かれ道を発見しました。
世界遺産のマークがあったので分かりやすかったです。

世界遺産登録証も掲げられています。

英語とスウェーデン語が混ざっているためか、うまく翻訳してくれません。
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~「森の墓地」の歴史的変遷~
そこで、ぼくなりに、この「森の墓地」の変遷と世界文化遺産に登録された理由などAIで調べてみました。
<森の墓地の歴史的変遷>
・元々、この場所は砂利(じゃり)採取場でした。
・砂利採取場としての役割が終わった後は、松などの植林により荒野を修復しようとしていました。
・人口の増加などによりストックホルム市内の墓地が不足してきたことから、墓地としての再利用・再開発をすることになりました。
・1935年頃は、火葬場併設の共同墓地としての位置付けでした。
・1940年にスウェーデンの新鋭建築家アスプルンドさんが、「自然との一体化」など新しいコンセプトを導入した設計施工を開始しました。
・アスプレンドさんの死後も友人のレベンツさんがその遺志を引き継ぎ、長期にわたり一貫した工事が続けられました。
・レベンツさんの死後も二人の遺志を引き継ぎ、行政を中心に現在も工事が営々と継続されています。
<世界文化遺産登録理由>
①北欧の豊かな自然と近代建築との調和
⇒「死者は森へ還(かえ)る」という思想に基づき、起伏のある松林などの自然を生かし、墓石や葬祭施設(礼拝堂や火葬場など)が目立ち過ぎないような設計が高く評価されました。
②北欧モダン建築の先駆け的な役割
⇒アスプルンドさんとレベレンツさんによる機能的で洗練されたデザインが20世紀の建築や墓地設計に大きな影響を与えたことが評価されました。
➂遺族の心への配慮
⇒葬儀の動線や礼拝堂のデザインが遺族の感情や死生観を重視した繊細な設計となっていることが評価されました。
④20Cの墓地建設の模範(もはん)
⇒砂利採取場跡地を美しい森林墓地へ見事に転換した歴史的・芸術的価値が評価されました。
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~墓地内へ~
森の墓地内へ入ってみます。
入場ゲートなどはなく、入場料も必要ありません。
もちろん、警備員なども見当たりません。

墓地との境界には、石垣や松並木が配置されています。
「墓地」をことさらに強調し過ぎないような工夫がされています。

古い石垣などは、景観を崩さないような補修が加えられています。

入口も墓地とか霊園に入って行くという感じではなく、静かな「公園」に入って行くイメージです。

墓地全体のレイアウトや案内標識もさり気なく目立つことなく立っています。

これから先、どんな活用でも出来そうな緑地帯が延々と続きます。
これがまさに「持続可能な土地活用」なのだと思います。

簡単な案内板は、所々に立っています。
歩いていると、迷子になりそうなくらい広いですからね。
ちなみに、東京ドーム21個分の広さがあるという話です。

墓地エリアへの入口です。

パッと見た目は、お墓などは目立たず、ただの緑の中の小径みたいです。

少し、歩き始めると、お墓が見え始めます。
墓石が積み立てられるお墓ではなく、大地に根付いている平面的なお墓です。

大きさやデコレーションの仕方など故人や遺族の好みに応じてまちまちです。

緑地帯は、延々と続きます。
ぼくは、こんな土地を見るとすぐに、「ドッグラン」を思い浮かべてしまいます。
こんな広大なドッグランがあったらいいでしょうね!
(でも、広過ぎて、犬が帰ってこなかったら探すのが大変ですけど、、)

所々に、十字架があります。

あまり、宗教色を出していないとは思いましたが、キリスト教の国ですからね。
所々の十字架は必要ですかね。
死と埋葬と宗教は切っても切れない関係ですから、やはり、宗教色は隠してはおけませんよね。
日本では、イスラム教信者の方々が「火葬反対」「土葬認可」で各地で揉め事が起こっているというニュースを目にします。
「郷に入れば郷に従え」論より、それぞれの宗教のしきたりを認め一定の条件の中で緩やかな認可をすることが共生の観点からも大事なのではないでしょうか。
もちろん、その方々が日本に完全に根を下ろしている場合だけですけど、、

これは、共同的な墓石?墓地?墓所?なのでしょうね。

こだわらない人にとっては、これも「あり」ですよね。
墓標だけは、少しだけ個性を出す必要がありますが、、

90年も前から始まった墓地造営です。
90年経っても、完成ではありません。

今現在も、工事中のエリアが何か所もありました。
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~どんどん中心部へ~

ようやく、緑地帯の終わりが見えてきました。
やはり、終点は、針葉樹林帯ですね。
「森の墓地」ですからね。
森に囲まれていてほしいですよね。

ズームアップしてみると、森の中にたくさんの墓石があるのが、確認できます。
90年前は、こんな形から始まったのかもしれませんね。

森の中の墓石は、こんな感じです。
さっき見た新しいものより表面が経年劣化(けいねんれっか)しています。
墓石を立てるタイプから地面に埋め込むタイプへ移り変わってきたこともよく分かりました。

針葉樹林帯は、松ばかりだと思っていましたが、そうではありません。
手前のこの針葉樹は、トウヒかモミのようですね。
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~納骨の人々に~

ちょうど敷地の中央部に来た頃だと思います。

日本で言う「納骨」に来られた集団に出会いました。

日本で言う「喪主」さんでしょうか?
手には、たくさんの花束を抱えています。

「森の礼拝堂」への入口です。

入口から200mくらい直進した場所にこのような「森の礼拝堂」があります。
ここで、故人を偲(しの)ぶのだそうです。

この方々は、礼拝堂での催事を終えて出入り口から出てきたところです。
これから街へ繰り出し、日本風で言う「お斎(おとき)」を行い、故人を偲(しの)ぶのでしょうか?
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~スコグス教会へ~
礼拝堂入口からもう少し奥に進むと教会のような建物があります。

地図で確認すると「スコグス教会」だそうです。

この教会も、豪華とか華美とかお洒落とかそんな印象は全くありません。
こじんまりとした「質素」という言葉がぴったりな建物です。

礼拝堂も無機質で余計な装飾品はありません。

祭壇も同じです。
「気持ちがあれば、余計な物はいらない」
という思想が窺(うかが)えます。
とにかく、どの施設からも、
富むものもそうでないものも等しく、
「静かに森に還る」
という思想が徹底しているように思います。

ぼくが歩いた跡を赤い線で表すと、上の地図のような感じです。
物凄く、がんばって歩いた気がしますが、「森の墓地」の隅から隅まで行けたわけではありませんでした。
~広大な芝生の上で、、~

広大な土地を歩き回ったので、かなり疲れました。
ヘトヘトと言っていいかもしれません。
何と言っても東京ドーム21個分の広さですからね。
芝生一面が見渡せるベンチで昼飯を食べたり、水分を補給したりしていました。
すると、遠くから爬虫類のような小動物のような、地を這(は)う生き物が芝生の上を歩いてくるのが見えました。
近くに寄ってきたので、ようやく、実態が分かりました。
「自動芝刈り機」です。
リモコンで遠隔操作している芝刈り機です。
この広大な芝の手入れは大変だろうなと思ってはいましたが、実際にどうしているのかは想像できませんでした。
この「自動芝刈り機」があれば、かなり助かります。
この広さを人力でやるのは骨が折れますよね。

上の写真で、芝生の上の「自動芝刈り機」を探してみてください。
よく見ると、何台も動いているのが分かります。

天気も怪しくなってきたので、これで、「森の墓地」にお別れしたいと思います。
ほとんどの人は訪れない世界遺産だと思いますが、ぼくは訪れて本当によかったと思っています。
「よかった」という感覚は、絶景を見た後の満足感や高揚感とは違います。
何かよく分からない穏(おだ)やかな「充足感」みたいなものだと思います。
「死」は、誰にでも遅かれ早かれ訪れるものです。
死後の世界は誰にも分かりません。
ぼくも具体的に考えたことも想像したこともありません。
だから、「こんな森で静かに眠りたい」とか、「広大な大地で土に還りたい」とかという要望や欲望は全くありません。
でも、残された人たちは、故人に対して少しでも安らかに死後の世界を送ってほしいと願うものなのかもしれません。
その具現化がこの「森の墓地」なのかもしれません。
普段、具体的に死について考えていないぼくでさえ、おぼろげながら、「死」というものをイメージしようとするきっかけをくれたのは、この「森の墓地」のお陰かと思います。
息をのむ絶景もいいですが、たまには、このような精神性が高められるスポットもいいのかもしれません。
~帰路へ~
「森の墓地」を後にしたのは、3時頃です。
今日はストックホルム観光最終日です。
もう少し、どこかに置こうと思えば行く時間はあります。
でも、ストックホルムに大満足です。
このままホテルに戻っても何の悔いもありません。

昨日のスーパーマーケットで買い物をして、ホテルに戻ることにしました。

スーパーからは、いつものトラムでいつもの「Arstaberg駅」まで行きます。
あとは、いつものバスでホテルに到着です。
これから、最終日の夜、恒例の荷物整理をします。
そして、明日からのフィンランド学習をして、就寝です。
スウェーデンとは、相性がよく、本当に何をしても嚙み合った国でした。
ストックホルムは、どこへ行っても過度な力みがなくナチュラルで、それでいて綺麗でお洒落な街でした。
忘れられない、そして、大好きな国・都市になりました。
離れるのが残念です。
(第16話、終わりです)
(第17話は、「フィンランドへ」です)
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